きったんのぶろぐ

大阪在住の会社員(30代)が書くブログです。

有本香著『「小池劇場」が日本を滅ぼす』を読みました。

保守系のジャーナリスト、有本香氏が昨年6月に発表しました「小池劇場」が日本を滅ぼすを読んでみました。

昨年11月には文庫版とKindle版も出ていたようですが、本屋に売っていたのが単行本のみだったので、単行本の方を読みました。

 

「小池劇場」が日本を滅ぼす

「小池劇場」が日本を滅ぼす

 
「小池劇場」の真実 (幻冬舎文庫)

「小池劇場」の真実 (幻冬舎文庫)

 

 単行本の方は東京都議選前、文庫本の方は東京都議選後なので、文庫版には少々の修正・加筆とタイトルの変更が行われたようです。

 

小池ブームは昨年末の衆議院選挙で化けの皮が剝がれましたが、都知事選立候補から希望の党立ち上げまでは空前の大ブームでした。

 

しかし、ブーム中ワイドショーなどでは「古い体制と戦う初の女性知事」「都政のブラックボックスを明らかにしている」ってイメージを国民に植え付けていましたが、不安を煽り続けた豊洲新市場は問題がないことが明らか、東京五輪の会場についても結局は元の会場のまま、周辺自治体への支払いについても長期に渡って放ったらかし、築地が残ったままなので環状2号線の五輪前開通が絶望的で選手村と競技施設での渋滞は必至と都政を混乱させ続けているのが小池劇場っていうことが明らかにされています。

 

著者は築地問題については特に詳しく取材していたようで、隔週で出演しているニッポン放送「ザ・ボイス」などでも定期的にこの問題で豊洲の安全性、築地の危険性、この問題の構図(市場関係者の関係性などややこしい問題など)、小池知事の欺瞞などが説明されていましたが、その内容がこの本では詳しく解説されており、マスコミ報道では(もしかしたら意図的に)伝えられていないこともわかりやすく説明されていますので、築地問題に興味がある人は読んでみたほうがいいと思います。

 

小池都知事とは、中身がないけどイメージ戦略が上手いのでのし上がってきた政治家ですが、これは小池本人が一番悪いのですが、制作費が安く済む政治ネタを芸能ネタかのように盛り上げ、大した問題でもないことを大問題かのように囃し立てたマスコミ、その放送内容を「テレビで言ってるんだから正しいのでは?」と何も考えずに信じ込んで一緒になって小池劇場を盛り上げた一般市民も悪いでしょうね。

 

ちょっと前にも「政権交代」って標語だけでマスコミに持ち上げられた民主党がその後に政権能力もお粗末で、鳩山由紀夫元総理が「最低でも県外」とか言い出して収まりかけていた基地問題をより拗れさせたことがありましたが、豊洲移転問題や五輪競技場問題なんかもまるっきり同じ構図でしょう。

 

一般市民、視聴者ももう少し賢くならなければならない、マスコミの報道内容もなんでもかんでも鵜呑みにしてはならないと思わせる本でした。

 

以上、有本香氏の「小池劇場」が日本を滅ぼすを読んだ感想でした。