きったんのぶろぐ

大阪在住の会社員(30代)が書くブログです。

「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」がオモロい

1990年代に大ヒットし、KinKi Kids堂本剛主演でドラマ化もされた推理漫画「金田一少年の事件簿

 

その番外編てまある「犯人たちの事件簿」というコミックが2巻まで発売されており、「ONE PIECE」以外では久々にコミックを購入してみました。

これが読んでみたらめっちゃオモロい!

 

ということで、「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」について書いてみます。

本編:「金田一少年の事件簿」について

金田一少年の事件簿とは?

東京都不動山市(架空の市)に暮らす高校二年生、金田一一(きんだいち はじめ)が様々な事件に巻き込まれながら、持ち前の推理力を駆使して事件解決に挑む推理漫画です。

1992年から2001年まで少年マガジンで連載され、その後は2004年から不定期連載、2012年からは20周年記念で一年限定の連載、2013年から2017年までは「金田一少年の事件簿R」というタイトルで連載されていました。

また、今年に入ってからは、少年マガジン発行元である講談社が発行している青年漫画誌「イブニング」に場所を移し、「金田一37歳の事件簿」という20年後の話が連載されています。

金田一一とは?

主人公の金田一一は、横溝正史推理小説八つ墓村」「犬神家の一族」の主人公である私立名探偵、金田一耕助の孫であり、運動音痴&勉強は落ちこぼれながら、知能指数はIQ180という天才頭脳の持ち主であり、時間が起きれば鋭い洞察力と冷静な判断力、推理力で事件を解決に導きます。決め台詞は下記の通り

 

事件捜査中に犯人を明らかにする決意を示す時

金田一耕助(ジッチャン)の名にかけて」

 

事件の全貌が明らかになった時

「謎はすべて解けた!」

 

関係者が一堂に会した状況で謎解きを始めて犯人を明らかにする時

「犯人○○はこの中にいる」

○○はそのストーリー中で金田一らに名付けられる、もしくは予告状で犯人が名乗るニックネームが入ります。

例:地獄の傀儡師、放課後の魔術師

本編についての私見

事件を呼び込む高校生、金田一一

初期の連載時から思っていたことですが、「いくら名探偵の(それも才能を色濃く引き継いだ)孫だからと言って、事件に巻き込まれすぎじゃない?」ってことですね。

 

普通、一般人が殺人事件など重大事件に巻き込まれることなんて一生に一度歩かないかです。加えて、金田一で取り上げられるような猟奇的事件になんて年間通じてもそうそう起きることではありません。

 

ただ、金田一少年のまわりではそのような事件がゴロゴロ起きています。

 

シリーズも途中からは、ライバル地獄の傀儡師=高遠が出てきてからは、犯罪に巻き込まれるように持って行かれたりしていますが、大半は「たまたま旅先で」とか「たまたま学校関係で」と、たまたま巻き込まれることが多数。

 

もう金田一少年の存在自体が犯罪を呼び込んでるのでは?と思えるぐらいです。

呪われた学園、私立不動高校

金田一やヒロイン七瀬美雪が通う私立不動高校だけでも何人死者が出るねん?って感じです。

 

例えば、第1作目「オペラ座館殺人事件」では、孤島の舞台付きホテル「オペラ座館」を舞台に、不動高校演劇部の生徒が「オペラ座の怪人」殺人事件に見立てて殺されるというお話です。

この事件だけでも、事件での直接的な死者4名。内訳は被害者の女子生徒2名、女性教員1名、それに犯人であった男子生徒1名。それに事件のきっかけとなった自殺した女子生徒1名と短期間の間に5名の学校関係者が死亡している状態。

 にも関わらず、2作目の「異人館村殺人事件」では、退学した元不動高校の女子生徒が殺害された上に、犯人と共犯。犯人自体は、不動高校に赴任してくる教師を殺害して成り代わったうえに最後は殺害される。

 この時点で、不動高校関係者の死亡者数は8名。教員だけでも短期間に2名も殺害される高校って呪われすぎやろ?

 

そして、4作目が再び不動高校が舞台の「学園七不思議殺人事件」

犯人である教員によってこの事件で殺害された生徒数は2名、重傷を負わされた生徒1名。それに加え、犯人はかつて事故で死なせてしまった生徒を校舎の壁に埋め込んで隠すという死体隠蔽。犯人自身が最後に殺害される。

 この時点で、この年の学園内死者数11名。重傷者1名。金田一自身が2作目で銃で撃たれているのでそれを含めれば死にかけた重傷者2名。学園内から犯罪者が4名。

 

こんな状況では、もう翌年の入学希望者はゼロ。転校希望者続出で倒産まっしぐら

 

と思いきや、学園はその後も通常どおりに運営されていた模様。

 

う〜ん!?

 

金田一少年の事件簿は19作目まではFileシリーズとなるわけですが、金田一自身が進級した様子もないので、高校2年生の間に事件が起きたと考えて、その間に不動産高校関係者で死亡した人の数、犯人の数を数えて見ました(暇か?笑)

FILE No. 事件名 殺害人数

犯人死

亡者数

自殺等

合計死

亡者数

犯人
FILE1 オペラ座館殺人事件 3 1 1 5 1
FILE2 異人館村殺人事件 1 2 0 3 2
FILE4 学園七不思議殺人事件 2 1 0 3 1
FILE6 悲恋湖伝説殺人事件 0 1 0 1 1
FILE7 異人館ホテル殺人事件 1 0 0 1 0
FILE13 怪盗紳士の殺人 0 1 0 1 1
FILE14 墓場島殺人事件 0 0 0 0 1
合計 7 6 1 14

 

7

 

上記のリストは、学園関係者が巻き込まれた事件のみピックアップしており、殺害人数も事件内で殺害された学園関係者のみ。犯人なども学園関係者に限っています。

漫画特有の四季は巡れと年は変わらずが金田一ワールドにも適用されていますが、金田一ワールドの面々が誰も歳をとらないことからも1年間で14名もの学園関係者が死亡し、7名もの犯罪者を生み出しているんですから凄まじい学園です。

 トリックで無茶しすぎ

トリックについても「それは出来ないことはないけど、無茶しすぎじゃね?」ってものが結構あります。

猟奇的で奇抜なトリックを金田一が解いて行くという物語の性質上、無茶なトリックは致し方ないのですが、「ここまで凝る必要ある?犯人、このトリック仕掛けるのが大変やったろ?」というのが読んでいて正直なところの感想です。

 

その犯罪者側の状況、心理をコミカルに描いたのが「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」です。

 

ここからはネタバレもあるので、「続きを読む」でご覧ください。

外伝:「犯罪者たちの事件簿」について

犯人は苦労している

これは

偶然 居合わせた名探偵の孫に

謎(トリック)を暴かれてしまった犯人たちの

綿密な計画と

実行の記録である 

これが外伝の始まりにある文章です。 

 

第1話は本編と同じく「オペラ座館殺人事件」です。

犯人の有森が殺害トリックのために様々に奮闘していくのですが、いざ実行するとなると計画どおり進めるのは大変であることがその都度判明。

架空の犯人「歌月(かげつ)」として前日にオペラ座館に赴く際、顔を包帯でグルグル巻きに。当然ホテルのオーナーには「怪しい。泊めたくねぇ〜」と思われ、本人も「こんな怪しいスタイルで泊まることできる?」と不安な状況。

なんとか泊まれて、部屋を荒らそうにも怖そうな自体でメッセージを残せずに奮闘。

部屋から抜け出して演劇部の合宿集合地に戻るためにエンジン付きゴムボートで戻るのも高額出費だったことで凹む。

たまたま演劇部の応援要員で参加した金田一が名探偵の孫と判明するも、「奴は名探偵の孫なんだし、ギリギリいけるだろう」とビビりながらも計画実行。

計画の粗を名探偵の孫に次々指摘されるわ、トリックの仕掛けを作るのもSASUKE出場者ばりの労力をかけることになるわ、しまいには予定にない殺人を行ったためにあとは計画がボロボロ。結局はトリック全てバラされて自分の仕掛けで自殺。

 

 

その一連の心理状況がコミカルに描かれており、本編がシリアスなのと一線を画す内容です。

第1話だけでも、「有森、大変だったんだなぁ」と少し笑ってしまうストーリーです。

 

他の話もだいたいそんな感じです。

 

そして、最後はあの世の犯人(もしくは刑務所内の犯人等)にインタビューで敗因を聞き、「どんな犯人なら金田一を倒せそうですか?」と聞いて次の話にリレーして行きます。

 

ギャグ漫画

上記の紹介からも、本編が推理漫画というジャンルになるのに対し、外伝はギャグ漫画になっているのがお分かりいただけると思います。

内容は殺人事件ってもんですから、笑い話にするのは不謹慎な気もしますが、こうも面白おかしくいじりまくると、それはそれで面白いギャグ漫画としてありなんではないかと思います。

 

現時点では、1巻で「オペラ座館殺人事件」「学園七不思議殺人事件」「蝋人形城殺人事件」「秘宝島殺人事件」、2巻で「雪夜叉伝説殺人事件」「タロット山荘殺人事件」「悲恋湖伝説殺人事件」が描かれており、「金田一少年の殺人」を掲載したものが夏ころに3巻として発売予定だそうです。

本編ではFileシリーズだけでも19作品とぶっ飛んだ事件が起きていますので、今後もこのシリーズを楽しんでいけそうです。

 

以上、「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」の紹介でした。